幸せホルモン帰宅部

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ノーゲーム・ノーライフ 内容深掘り 囚人のジレンマとは?

 皆さんこんにちは。ノーゲーム・ノーライフの7巻・8巻では「囚人のジレンマ」というキーワードが度々登場します。

 この囚人のジレンマについてはノーゲーム・ノーライフの7巻・8巻でも簡易的な説明はありますが多分筆者のようになかなか理解できなかった方もいっらっしゃるだろうと思います。 しかし言葉の定義や内容を詳しく知ることで作品がより深く楽しめるのも事実です。

 そこで今回は「囚人のジレンマ」をキーワードに深掘りしていきたいと思います。

 

   ノーゲーム・ノーライフ 8 ゲーマーたちは布石を継いでいくそうです (MF文庫J)   ノーゲーム・ノーライフ 7 ゲーマー兄妹たちは定石を覆すそうです (MF文庫J)

 

1.囚人のジレンマとは?

 たとえば銀行強盗で捕まった2人(囚人)に対し、検察はそれぞれ容疑者にこう言い渡すとします。
「2人とも黙秘すれば刑期は1年、両方自白すれば刑期は5年。どちらか1人が自白すれば、自白した方は無罪になり、黙秘を続けた一人は刑期が10年になる」

 これを囚人二人について整理すると次のようになります。

・二人共黙秘した場合、刑期は二人で2年

・二人共自白した場合、刑期は二人で10年

・片方だけ自白した場合は、黙秘したもう片方が10年

 つまり囚人二人を集団として考えた場合は、二人共黙秘を狙うのが最良の選択に思われます。

 

 しかし囚人二名を仮にAとBと個人で定義したとき、状況を整理すると違った状況が見えてきます。

1.Aが黙秘した場合

・Bが黙秘すれば、Aの刑期は1年

・Bが自白すれば、Aの刑期は10年

よって黙秘した場合、Aの刑期の期待値は5.5年です。

 

2.Aが自白した場合

・Bが黙秘すれば、Aの刑期は0年

・Bが自白すれば、Aの刑期は5年

よって自白した場合、Aの刑期の期待値は2.5年となり黙秘した場合の半分以下です。

 

 つまり集団としての利益を考えると「黙秘」し協力するべきだが、個人の利益だけを考えると「自白」したほうが得なこのような状況では、協力できないというジレンマ。

 これが囚人のジレンマです。

 

2.一般的な囚人のジレンマの最適解

 実は「囚人のジレンマ」には一般的な最適解が存在します。

それが「相手がどのような選択肢をとろうが、自分は「自白」(裏切り)する」です。

 確かに黙秘した場合と自白した場合で刑期の期待値に二倍以上の差がありますから、これはやむを得ないことでしょう。

 そして、こうしてやむを得ず2人とも自白を選んだ状態は囚人のジレンマを提唱したアメリカの数学者ナッシュの名前からナッシュ均衡と呼ばれています。

理論A:「囚人のジレンマ」は裏切ったほうが得

 

3.繰り返し行うと最適解が変わる!?

 仲間を裏切ることが最適解と言われている「囚人のジレンマ」ですが、コンピューターに同様のゲームを繰り返し競わせたところ、なんと「自分からは絶対に裏切らない」プログラムが最強になってしまったという話があります!

 これは一体どうゆうことでしょう? さっきと言っていることが矛盾すると思われるかもしれませんが一概にそうとも言えません。なぜなら先ほどのプログラムの戦術をより具体的に言うと「はじめは自分から裏切ることはないが、もし相手が裏切ってきたら自分も裏切り返す。相手が裏切るのをやめたら、自分も裏切るのをやめる」という戦術だからです。(つまり相手の対応しだいでは裏切る場合もある)

「自分が裏切ることを抑止力として、裏切らない選択肢を相手に選ばせる」繰り返し施行する場合ならでわの戦術と言えるでしょう。

 しかし繰り返し競う場合は、この戦術を駆使するプログラムが常に最強だと言うのだから面白いですね。

 

理論B:繰り返し行う場合は、自分から裏切らないのが最強

 

4.ノーゲーム・ノーライフでは?

 さて、ノーゲームノーライフでは空が上記の二つとは違う答えを導き出しています。

 空いわく、「そもそも囚人のジレンマは成立しない。なぜならこのゲームには囚人以外に検察の意思が介入しており、検察は囚人に自白されることしか考えていない。

 囚人達は検察が自分たちを自白させようとしている意図に気が付けば、検察を共通の敵として協力して黙秘できる」というものでした。

 これも言われてみれば確かにと思える、考え方ではないでしょうか!ノーゲーム・ノーライフファンだからかもしれませんが筆者はこの考え方が一番好きです(^O^)。

 

理論C:「そもそも囚人のジレンマは成立しない」

 

5.まとめ

 一口に「囚人のジレンマ」といってもいろいろな考え方、通説があることがわかっていただけたでしょうか。恐らくさらに詳しく調べれば別の考え方も見つかることでしょう。新しい考え方を見つけた際はこのページも随時更新していきたいと思います。

 また「囚人のジレンマ」以外のゲーム理論に興味がある方は、より深く知るために関連書籍を1冊読まれることをお勧めします。  

 

マンガでやさしくわかるゲーム理論

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